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2009年6月22日月曜日

ブリヂストン美術館 マティスの時代―フランスの野生と洗練

先日、ブリヂストン美術館で「マティスの時代―フランスの野生と洗練」を観に行ってきました。留学する前から忙しくて全く美術館に行く機会がなかったのでワクワクしちゃいました。

私は色彩感覚があまりないので、逆に大胆に色彩をキャンパスにのせられるマティスが好きなんです。

この時は、たまたま学芸員さんの話を伺うことができ、普段よりも深く絵を味わうことができました。

多くの大画家と言われている人たちは、子供の時からその絵の才能を発揮させていることが多いですが、マティスが本格的に絵を学び始めたのは20歳を過ぎてからでかなりの遅咲きです。マティスは印象派や新印象派の手法を学びますが、その理論的過ぎる手法に反発を覚え、色彩を形に中に閉じ込めるのではなく、色を全面に押し出した作品を描いていくようになります。目に見えた色を忠実に再現するのではなく、自分の中で感じた色をキャンバスにおいていくことを好みました。これをフォーヴィスム(野獣派)と言うそうです。

20世紀にはピカソやブラックのキュビズムがセンセーショナルに登場しますが、マティスもこうした形と色をどのように捉えるべきか、模索をしています。写真の「青い胴着の女」では、敢えて形をデフォルメし、また黄色と赤を大胆に使いながら、黒と青で全体をひきしめています。また、女性を描く際は、「オダリスク」を主題にすることが多かったのです。オダリスクとはもとは、イスラムでハーレムの女性のことを指すそうですが、それが転じて東方のオリエンタリズムを感じさせる装飾や感応的な美女の意味となっていったそうです。マティスは、「オダリスクなしでどうやって、女性を描くのだろうか?」と語っていて、オダリスクに傾倒していることがわかります。

しかし、その後、形と色をどのように調和していけば良いのか悩み、最終的に行きついたのが「切り絵」という手法です。当初はこれは芸術ではないと批判されたようですが、後に色のコントラストとフォルムの豊かさが評価を得ています。

この展示会は7月5日(日)までですので、興味のある方はぜひどうぞ。

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