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2012年9月9日日曜日

太宰治「斜陽」

人間失格に続き、太宰治の「斜陽」を読みました。善と思っていたもの、悪と思っていたものの価値観が崩れ、それでも生きていかなければならない虚無感。登場人物のどれも生きることに前向きにはなれず、ただ、身ごもった子供にのみ何かその希望を託すような終わり方でした。
何となく、今の時代にも通じるような気がします。努力しても上に上がれない、逆に努力しなくても一定の財力のもとに生まれた者は何不自由なく或る程度は暮らせる世の中。それでも生きていかなえればならない社会は、おもしろくも何ともない。物もお金もあふれているけど、心が満たされないようなこれまた虚無感。今後の日本はどうなるのだろう・・・と考えてしまう一冊でした。

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