シェリル・サンドハーグ「LEAN IN(リーン・イン)」

FacebookのCOO、シェリル・サンドバーグさんが、女性が仕事で一歩前に踏み出すことを後押しするために書いた本作。NHKのクローズアップ現代で特集されていたので、手に取ってみました。

正直、良くここまで女性の仕事、家庭のあらゆる事に渡って起こっている問題を分かりやすく紐解いたなと驚きました。まさに、職場で、家庭で「あるある」と言う話題ばかり。でも、普通は顕在化してない差別や無意識な行動も多くて何かモヤモヤするけど、口に出したら逆にあいつはウルサイ女だとか思われるし、型にはまった男女の社会常識のせいで、自分自身も良くわかっていなかったりして、上手く文章になんかできないのですが、本作は良く書かれていると思いました。単に個人の経験だけてなく、きちんとデータを用いている(日本が頻繁に男女で差がある酷い例として挙げられてるのは悲しい限りだけど)ところも納得できる。

男性だけでなく、女性も女性に対して非協力的な事実や、家事や育児の分担など、女性自身もあれこれ言わないでしっかり任せるなど、私自身もハッとする事もありました。コミュニケーションの仕方についての考察もなかなかためになりましたし。

それにしても、面白いのが、野心家な人がビジネスて成功したというケースで、その人を男性だと思って読むと好感を持つのに、女性の名前になった途端、あまり付き合いたくない人だと思う人が多いと言うのには、まさに妙な納得感を持ってしまいました。男性も女性もそういうタイプの女性は、社会で言う良い女性のイメージじゃないと思っている。ここがまさに全ての出発点。だからこそ女性は、良いチャンスが目の前にあっても、いろいろ考え過ぎて断ってしまうことが多いのだと思う。

女性も男性も読んで欲しい本。だけど、日本の男性はなかなか自分で買わないんじゃないかしら〜と、私自身穿った見方をしてしまうところがいけないかな（笑）

それにしても、シェリルさん、今月Facebookの株を売って88億円を得たらしい…次元が違う。