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2010年7月23日金曜日

宮部みゆきの最新刊「小暮写眞館」

宮部みゆきのファンとしては、最新刊、しかも書き下ろし!が発売されたとあっては、買わない訳にはいきません。それがこの″小暮写眞館″です。

しかし今回は、宮部みゆきの代名詞でもある″ミステリー″では全くありません。とある古い写眞館に引っ越してきた家族の1人、高校生の花ちゃんが主人公で、彼をとりまく周囲の人との出来事を追っていくのですが、写真が一つのツールとなり、いろんな人の人生が交錯します。ここで″出来事”と書きましたが、これはあくまでも日々の出来事であり、たわいもない会話だったりします。4話の短編で構成されていますが、全体的には一つのストーリーになっているという仕組みです。

ここにかかわっている人たちが、少しずつだけど人生が良い方向に動いている、変わっていっているのが伝わってきます。

最後は、「あっ、きっと未来は良くなる、明るくなるんだ。本当に良かった。」と思って涙してしまいました。今までの宮部さんの小説と異なり、悲しい涙ではなく、嬉しい涙といったところです。

ミステリーを期待して読むと、テンポのほのぼのさに、う~んと思ってしまう人もいるかもしれませんが、とても味わいがあって、心に残る良い作品だと思います。
ぜひ読んで頂ければ。

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